病で疲れた体を内側から癒やす「味噌灸」について

長男（21）が3歳の頃、40℃の熱が下がらなくなり、入院して抗生剤入の点滴を受け続け、なんとか回復して退院したものの、アトピーが悪化しました。
ちょっと目を離すと、かきむしって血だらけになっています。どんどん転がるように悪化し、顔もパンパンに腫れ上がりました。
そんな時、わらを持つかむきもちで受けたのが「味噌灸」でした。

おばあちゃんが知っていた「味噌灸」【昔からカンの強い子には味噌灸って決まってた】

私が味噌灸の話を聞いたのは愛知県ででしたが、兵庫県生まれ兵庫県育ちの祖母（大正生まれ）が「味噌灸」を知っていました。
帰省した時にも息子に「味噌灸」をしている私達をじっと見ていたおばあちゃん。「ひ孫が〜〜！」となぜか騒がない。
おかしいなと思っていたら、ぽつりぽつりと話し始めました。
「昔から、カンの強い子には味噌灸って決まってた。あんたが嫌がるかと思って黙ってたけど、食の細い子供とかには特に効いた」やり方は兵庫県でも全く同じとか。
知らないだけで、日本中でやっていたのかもしれません。

特に、この、祖母の発言で驚いたのは、「食の細い子」というくだり。
長男は本当に食が細く、2歳の頃体重が9キロ程度。食事の前にたべっ子どうぶつビスケット4枚食べたらもう全く夕食が入らなくなるほど。
味噌灸を自宅でも毎日やり、2週間ごとにプロにもやってもらって2ヶ月ほどたった頃、鍼灸院からの帰りに長男が突然「おれ、すごく、お腹がすいた」と言い出し、「ええっ！？」と驚いて夫とものすごくあわてて彼が食べられそうなお店に入ったことがありました。
しかもガツガツ食べている。

それまではあまりに食べないので、あだ名が「仙人」だったのですが、それ以降還俗したようで、大食らいに変貌していました。

味噌灸のやり方

1.　5ｃｍ角くらいに切った和紙の真ん中に大さじ一杯程度の味噌（あるものならなんでも）を丸めたものを5ｍｍ程度の厚さにして貼り付ける。
2.　もぐさをひとつかみ味噌の乗っていない面の真ん中において上の方に火をつける。
3.　上半身ハダカで仰向けになり、味噌が軽く温まったところでおへその周りに5〜10秒ほど乗せて離し、次は胃のあたりに5〜10秒という感じで、
　 　胸より下の胴回りを　様子を見ながら乗せて回ります。悪いところは全然熱くないようです。良くなってくると熱くなる、つまり、悪くないところは
　　 熱いので、その点を考慮しながら加減します。
4.　次にうつ伏せになり、背中周りも順に温めていきます。肩甲骨のあたりに副腎があるそうで、そのあたりを少し長めにやりました。

やったあと、すぐにおふろに入っても構いません。やる前後、食事をしても構いません。
ただし、やる前にお風呂に入るのだけは厳禁。

体質を改善したというよりも、疲れた内蔵を癒やしてくれた「味噌灸」

息子に限って言うと、「味噌灸」は彼の病で疲弊した体を中から癒やしてくれたのではないかと思います。半年以上続けました。
やっている間、悪いものを出すから一度悪くなるけれどいずれ効いてくる「好転反応」という段階は起こりませんでした。

ツルピカになったわけではないけれど、血だるまになるとか、包帯ぐるぐる巻きでないと保育園に行けないとか、全くなくなりました。
そのうち、体が丈夫になってきたら、必要以上に悪化しないよう、自分である程度コントロールできるようになるのではないかと希望が見えました。
先人の知恵の素晴らしさを実感しました。