子供の素朴な疑問に素朴に答えて「どうして傷だらけなの？」

長男が保育園に通っていた頃、アトピーが非常に悪化して、両手足に包帯をぐるぐる巻いて登園していました。そんな状態でもおとなしくはなかった息子は元気に走り回っていました。

ある時、転んで、膝とほほを少しすりむいた事がありました。
大した傷ではなかったので、心配するよりも、わずかなノーガードの部分がこういう時に傷つくんだと感心したりしていました。

ダイレクト「どうして傷だらけなの？」と聞かれた子ども

怪我から2日後くらいに、息子が保育園に行っている時に近所の一つ年下の男の子のお母さんが突然訪ねてきました。保育園に入園する前は息子ともよく遊んでいた子です。なんだかもじもじ、しかも青ざめ気味。

子どもが申し訳ないことをしたので、謝りに来たんですと言われて、ますますきょとんとしました。
聞けば、保育園で仲良くなったお友達と遊んでいたとき、そのお友達が長男をじっと見つめていたかと思うと、「あの子はどうして傷だらけなんだろう」と言い出したようです。子どもなので、素朴に疑問に思ったようです。

近所の男の子は、一緒にお風呂にも入ったことがあるにも関わらず、今更ながらに、「本当だ、どうしてだろう」と疑問に思ったようです。そして若気の至りか怖いもの知らずか、「聞きに行ってみよう！」と思いたち、二人連れだって長男に聞きに行ったようです。

「どうして傷だらけなの？」と超ストレートに聞いたそうです。
そして、怪訝そうにしていた長男は、ぼそっと「ころんだんだよ」と答えたようです。

病気の人に、実に申し訳ないことをしてしまったと平謝りされて、かえってびっくりしました。「いや、ほんとに、転んだの。ちょびっとの怪我なのに、大騒ぎしてた。アトピーの傷のほうが広いしひどいと思ったんだけど、本人にしてみたら、めちゃ痛かったみたいよ」

実際、ちょっところんだ程度の傷なら、小さいからといって、「傷だらけ」とは思わないことを長男は考えず、傷=転んで痛かったヤツ、の発想しかなかったようです。

帰宅してから息子に「どうしてきずだらけなの、って聞かれたの？」と聞いたら、なんでそんなこと、知ってるんだと言わんばかりの顔をして、「ころんだって、答えたよ、痛かったなぁ」と例の擦り傷をさすっていました。

悪意のない質問には傷つく心配はない

どうして包帯ぐるぐる巻きなの？と聞かれたら、病気なんだよと答えたのだと思います。言葉は難しいものです。

近所の方は子どもが申し訳ないことをしたと言われましたが、「汚い」といった悪意のある内容ではないので、ストレートに向けられた素朴な疑問だったから、怒る必要はないし、悪く無いと答えました。

どちらかと言えば、遠巻きにジロジロ見るよりも、ストレートで爽やかでした。彼らが子供心に、傷だらけになってしまうような病気もあるんだと認識してくれたはずなので、それでよかったと思っています。