びわの葉茶がアトピーに効く？我が家にびわの葉茶がやってきた

どこで、どのような経緯で母が聞いてきたのか全く分からないのですが、ある時母が「びわの葉茶がアトピーにいいらしい！」と、とても喜び勇んで電話してきたことがありました。

私自身はその話を聞いたことがなかったので、ホンマカイナという気持ちだったのですが、母は非常にノリノリで、「あんたんちに送っといたから。煮出して使うように」とのこと。
「うちにびわなんてあったっけ？」という私に、「山の畑んとこにほったらかしにしてる木、あれびわだから。葉っぱ取ってきて干してカリカリにしてから送ったから」と母が言います。
ということは、数日前にびわの葉を刈り込んで一枚一枚広げて干したのだと思います。

「びわの葉」は肌荒れにいい？

びわの葉の波打つような葉を見ていると、ふと思い出し、「これ、私が漆にかぶれたときに塗ったやつ？」と母に聞いてみると、「そうそう！」と答えが返ってきました。
12歳頃だったでしょうか。お正月に近所の神社にお参りしたとき、父が焚火にボンボン木をくべてファイヤー状態にしそうになったので、父が持っていた丸太を取り上げて「もう、帰るよ！」と怒ったことがありました。

その木がどうも漆だったようで、父と私は顔中蕁麻疹のような状態になりました。
湿疹だらけで顔がひりひり痛く、母が祖母に言われて何かの葉っぱを煎じたものを鍋ごとドン！と私の部屋にもってきて、「これを顔に塗ると、痛みも取れるし腫れも引きやすいから」と渡されました。

鍋の底には葉っぱが大量に浮いていて、茶色い変なにおいのする液が一杯入っていました。仕方ないので小さな器に上澄み液をすくい、ガーゼのハンカチを浸して、顔にピタピタ塗りました。
液はもう冷たくなっていたからひんやりしますが、効いているとは思えません。お正月だったのが幸いし、3～4日部屋に大部分の時間こもりっきりで、気が向くたびにピタピタしていました。

父も同じように苦しんでいるんだと思っていたら、父は翌日にはすっかり良くなったようで、元気に会社に出勤していました。
父だけこっそり病院に行ったに違いないと長く疑っていましたが、どうもそうではなかったらしく、子どもで、はじめて漆にかぶれた私の方がはるかに重症で、父は子どものころにかぶれたこともあったせいか、軽症で済んだようです。

あの得体のしれない大して効かない葉っぱがまた我が家にやってきた・・・そう思うと、かなり憂鬱です。あの時の苦しい体験を思い出し、子ども心にかなり苦しかったことがよみがえります。
父が酔っ払って焚火に木をくべまくったりするからこんなことになるんだと、イライラしたことまでよみがえります。

父が子どもの頃は「ぼろ」と呼んでいたそうですが、今でいうアトピー児だったようです。
「わし、あのころ、なんであんなにカイかったんかなぁ」と、痒がる長男を見ながら父がぽつりと言っていたのを思い出します。

祖母は祖母なりに八方手を尽くしたようで、びわの葉が肌荒れにいいということはそのころ言われていたのではないかと思います。

当時はまだ今ほどインターネットが普及していなかった

当時はまだ、今ほどインターネットが普及していなかったので、ニフティサーブのアトピーのフォーラムで聞いてみたところ、「びわの葉がアトピーにいいらしい」ということは口コミで上がっていたようです。
しっかりとした調査や臨床検査がされていたわけではなく、民間療法の一つととらえていたようです。

近年の便利になったインターネットで調べてみると、ちらほら「アトピーに効いた」という記事が見られますが、定かなことはわかりません。
実際、漆にかぶれた私には効きませんでした。

息子に使うべきかやめるべきか

母から届いたびわの葉は大量でした。乾燥してあるので軽いのですが、段ボール箱2箱。たっぷりぎっしり大きめのゴミ袋にびわの葉が詰め込まれていました。

そういえば母は「山の畑にほったらかしにしている奴だ」と言っていたなと、葉を見つめながらしみじみ考えます。これだけ大量に集めるのも干すのも大変だったろうなと思います。
今から20年くらい前の事なので、母もまだ若いですが、それでも大変だったろうなと思いました。

「山の畑」は山際にある畑で、実家では最も手を掛けてない畑の１つです。完全無農薬栽培という名の完全放置している木です。無農薬は農薬がかかっていませんが、その分虫だらけなのは、田舎者の私には骨身にしみてわかること。
届いたびわの葉をビニール越しに眺めていると、得体のしれない小さな生き物が動いているのがちらほら見えます。

念のため、干す前に洗ったか聞いてみました。母はきっぱり、「いんや、刈ってきてそのまま干しただけ。雨はあの時・・・ふってたっけぇ？」といった調子です。「でも、無農薬だよ、完全な！」
都会育ちの夫なら喜んだだろうけれど、それは私には「虫だらけだよ！」と同音異義語。

世話してないんだから有機栽培って言ってもいいんじゃない？肥料あげてないけど。と言いたいのをこらえつつ、また葉っぱをにらみ続けました。

ごめんねマミー。そのまま捨てたよ

ただでさえ肌の弱い息子に、効くかどうかもわからない、自分には全く効かなかったびわの葉をこの上試してみる気にはなれず、1週間ほど思案し続けた挙句、燃えるゴミに出しました。
親不孝者です。でも、息子を実験台にするようで、実験台1号の自分に効果がないものを試してみる気にはなれませんでした。

効くと言っている人がいて、効いたのかもしれません。でも、私には効きませんでした。効果は人それぞれ。自分の体でやってみるなら喜んでやったのでしょうが、病気で苦しむ小さな息子の体で試すのはどうしてもいやでした。
母には「効かなかった」と答えたのか、忘れたふりをしたのか、都合が悪いことなので、私自身覚えていません。寝た子を起こしたくないので母にも確認できません。

試してみたい方は試してみてください。もしかしたらあなたには効果があるかもしれません。
古来より伝わる療法であることは間違いないと思います。おすすめはしません。試される方は自己責任で試してください。