2017.07.10
「食物アレルギーはありますか?」の用紙に記入するのは難しい
保育園や学校などに提出する書類に、「食物アレルギーはありますか?」という項目があり、小さなかっこがついていることがあります。
ここに、「卵」とか「牛乳」とか書けばよいのですが、我が家の三男の場合、今現在であるとすると、「完全に火が通っていない状態の卵と牛乳」と書くべきか、単に「卵牛乳」と書くべきか悩むところです。
また、軽いアレルギーを起こすものの中に、「あくの強い野菜」も含まれ、「これは何を指しますか?」と突っ込んで効かれると、「菜の花や、あく抜きが不十分なホウレンソウ、タケノコ、ワラビなど、ええと、他には・・・」と記憶の糸をたどることになります。
長芋や里芋は大好きですが、ちょっとでも古いとアウトになります。これは書く必要があるのでしょうか。「キウイ」も激しいアレルギーを起こす心配があります。もうすでに、書ききれません。
「小麦粉に3~4歳ごろまでアレルギーを起こしていました。今は食べても危険な状態にはなりませんが、キャパシティは多くないし、好んでは食べません。あ、でもうどんなんかは大丈夫です。」
「そばは血液検査で反応がはっきり出ますが、食べても何ともありません」などなど、どこまで書けば、子どもに役に立つのかがはっきりしない以上、どこまで書いたらいいのか毎回毎回悩みます。
伝える限界、伝えられる限界
我が家の子供たちは保育園に年少さん、つまり3歳児保育からお世話になったのですが、長男が入園した当時は私もさじ加減がわからなくて、記入欄が小さかったこともあって、特に絶対食べられない、「生ないし加熱が不十分な卵・牛乳、キウイ、サバなどの背の青い魚」のみしか書かなかったように記憶しています。
離乳からこじれていた長男は何も食べたがらす、唯一好んで食べるのが、食べられるようになったケンタッキーのフライドチキンとマクドナルドのハンバーガー位でした。
これも1個ずつしか食べられなかったのですが、好きなものの欄に「フライドチキン、ハンバーガー」と馬鹿正直に書いたので、育児放棄を疑われ、「わかっていないだろうから聞いても無駄」程度の判断を下されたようです。
給食は物珍しいのと、他の子どもと同じものを食べるせいか、がつがつ食べていたのを見たときは、唖然としました。
しかし一向に良くならないし、始終血だらけになるし、保育園でも持て余したようで、アトピー対策に何をやっているのか聞かれました。
ですので、有機野菜をつかう、肉や魚など同じ食材を繰り返し使用しない、油はアレルギーを起こしにくく熱劣化しにくいキャノーラ油をつかう、醤油みりんは添加物が入っていないものを、塩は天然塩、お風呂は塩素を抜くためにVCを少量加えて置く、布団は毎日干して両面を掃除機掛けする、などなど、思いあたることをつらつら書いたら、レポート用紙両面2枚に!
「一応ちゃんとやっているんだ」と認識されたものの、どう対応したらいいのか園でもわからなくなったのか、入園してから半年ほどしてからまた聞かれました。
「卵はかきたま汁程度であれば問題なく食べられるが、体調が悪いと食べられないこともあるので、その場合は食べなくてもOKにしてほしい」
「牛乳が入ったクリームシチューなどは食べられるが、牛乳そのものは全くダメ。カルピスなどの乳飲料はよほど体調が悪くない限り飲める」
「サバ、イワシ、アジなど、食べると大量嘔吐することがある(その後卒園する前にイワ・アジはクリアーしましたが、当時はダメだった)大丈夫なのは鯛、タラ、太刀魚など白身の魚」
「キウイは食べられない」などなど、事細かに書いた食物アレルギーの一覧表を作って提出しました。
当時の担任の先生が若くてアクティブだったおかげで、壁に一覧表を貼っておき、特に注意が必要なものをアンダーラインしておいて、誰でもすぐに確認できるようにしてくれたようで、「魚の日は専用の白身の魚を魚屋さんが持ってきてくれる」と他の先生も話してくれたほどでした。
こと細かく伝えないと伝わらないけれど、相手は覚えられません。
たまたま特にアレルギーがひどい子供が長男しかいなかったから対応できたものの、何人もいたら混乱をきたしたかもしれません。
年齢が上がってくるほど、食物アレルギー対応は業務外に
保育園から小学校、中学校、高校と、年齢が上がってくるにつれて、食物アレルギーへの注意は先生にとっての余分な仕事、本来の業務の業務外の追加の仕事になってきているように思います。
子ども自身の食物アレルギーの起こしやすさも加齢とともに減ってきて、自分自身で注意もできるようになるため、だんだん注意が必要なくなってくることから、先生を頼る必要性も徐々に減ってきます。
お弁当の時代が始まるや否や、人のものを取って食べない限り、さじ加減を先生に要求する必要もなくなります。
このため、相手をする子どもの年齢が上の先生ほど、先生自身のアレルギーに対する知識が希薄になり、細かく伝えても理解できない可能性が高くなってきます。
苦肉の策として、「食べられないものがたくさんあるので、食べなくても無理強いしないでください。体調によって、キャパシティは違います。」というだけになりました。
三男のように、大きくなっても生の牛乳が飲めない場合は止めてもらいますが、それ以外は先生も手が回らないので、特別扱いはしなくてもいいから本人の自己判断に任せてほしいと伝えます。
三男はバニラアイスがいまだにほとんど食べられません。配られても取りません。
みんなが食べているときに食べられなくても、死にません。食べるほうが危ないです。
小学校低学年は代替品を用意してもらっていましたが、「ずるい」と騒ぐ子どもが多すぎ、的外れな代替品も多く、結局食べないで持ち帰るばかりでした。
あまりに欲しそうにする女子にあげたら奪い合いになって以来、三男は嬉しそうに食べる周りを見ているほうが楽しいことに気が付いたようで、代替を頼むのもやめました。
食物アレルギーについては、幼少期は死に至ることがあるので、厳密に代替してもらう必要はありますが、ある程度大きくなったら、自己責任で対応したほうが的外れな対応品を無理して食べる必要ものないうえ、波風もたちません。
今、小さいお子さんお持ちの方は苦労なさっているかもしれませんし、特別扱いに周りの目が気になることもあるかもしれませんが、だんだんとそれも減っていくので、時の流れをじっと待つのが一番だと思います。
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