漫画「ホットマン」に考える【アトピーという病気は正しく理解されていない】

きたがわ翔「ホットマン」という漫画があります。
1997年から2000年にかけて週刊ヤングジャンプで連載され、反町隆史主演で2003年にドラマ化されています。全13巻です。

主人公のエンゾの娘がアトピーという設定から、妹が3巻まで出たところで勧めてくれました。

漫画「ホットマン」について考える

私は、ドラマの方のホットマンは全く見ていません。
コミックスは13巻まで出ていますが、妹が貸してくれた3巻まで読むのがやっとでした。
というのも、アトピーが世間では十分に理解できていないのがよくわかり、ジレンマしか覚えなかったからです。

娘がアトピーに苦しんでいる。若い頃、自分がエエ加減な食生活をしていたことも一因に違いないと思って、食生活を見直し、有機栽培のものなどをとるようにしています。
子供のアトピーが発病した時、真っ先に親が考えることですが、エエ加減な食生活を長年続けられたような丈夫な消化能力を持つ親にはたいていエエ加減な食生活に耐えられる丈夫な方ができます。

もちろん、必ずではありません。
有機栽培のもの、添加物がないものを選んで食べさせますが、そうでないと悪くなりやすいので、自然にそっちに走ります。無理して切り替えるものではないです。

アトピーが悪くて寝たきりの病弱な娘がいます。「なんで病弱？アトピーなだけで？」一生懸命他の病気を探しましたが、見当たりませんでした。

熱が出るとか、他の病気にならないかぎり、アトピーだろうと、子供は元気です。じっとなんてしていません。アトピーは皮膚病です。血だらけだって傷だらけだって、日常がそうなので、じっとなんてしていません。ずっと寝かせておくなんて、無理です。

朝、子供を起こそうとカーテンをエンゾが開けます。「うわ、引っかき傷だらけだ」引っかき傷だけだったら、ちょこっとバツバツがついているくらいなら、「今日は調子ええ！」で終わりです、ウチは。

顔が腫れ上がり、ドロドロになるまでひどい時はかきむしります。
引っかき傷なんかじゃありません。えぐってます。

どうして起こさなかったんだ、気を遣ったんだと内省しています。反省するとこ、そこじゃない。掻かないように気をつけたいなら、なぜ別室でグーグー寝た、悪い時放置するなんて、おかしいんじゃないかと思いました。

他にも「なにがいいたい？リサーチ足りてないんじゃないか」とブツブツ思ったんですが、極めつけは娘のアトピーが悪化して入院。

アトピーだけで、なぜ入院？点滴、アトピーの症状の悪化で使ったことはこれまで一度もありません。消毒してなくて、深刻な感染症を引き起こし、高熱でもでたんでしょうか？そんな下りはどこにもなかった。

外出先でクリームコロッケを食べています。
中身がはっきりしないし、これが食べられるなら、食物アレルギーはあっても大したことはありません。アナフィラキシーショックを起こすとも考えられない。

よしんば、どこにもそんな記述はなかったけれど、重症の喘息の発作を起こしたなら、ステロイドの点滴を打つことがあるから、それと仮定して。エンゾが、ステロイドを使わないでくださいと土下座して頼んでいます。喘息の発作で、死ぬか生きるかの時に、薬を使うなという親がどこにいるんでしょう。

どんな副作用が待っていようと、死ぬよりは絶対にマシです。

アトピーは皮膚病だから、アレルギー体質のなせる技だから

妹は、娘の病気に真摯に立ち向かうエンゾに感動していました。私がアトピー児を育てていなかったなら、感動したかもしれない。

大人になってくると、肌の状態が悪いから、今日は外出したくないと思う時もあり、そんな時、ちょっと引きこもってしまいます。それは私もです。でも、子供は、そうではない。

たとえ皮膚の状態をからかわれても、「病気の人を悪く言うお前は心がない」くらいのセリフをはける子供に育って欲しい。

うちの長男はすぐに熱を出す病弱な子供でした。
病気の時は彼も寝ていました。

でも、少々血だらけだろうと包帯ぐるぐる巻きだろうと、元気なときは元気でした。
三男は、病気になった時と、ひどいアレルギーを起こした時以外は寝かせておくとか家においておくとか、不可能でした。

アトピーは寝こみがちな病気じゃありません。正しく理解して欲しいと思います。