食物制限解除になってもフワフワケーキはかんてんぱぱに勝てない

もうすぐ18歳になって選挙権が得られるようになる年齢になっても、加熱が不十分な卵や牛乳には激しいアレルギー症状を起こしてしまう三男に対して、誰が見てもアトピーだとわかるアトピックスキンの長男は、意外と早いうちから卵牛乳が好きになりました。

ケーキの生クリームにも非常にうるさく、純生クリームとわかるものしか受け付けません。スポンジ生地はふわっふわでないと酷評されます。

かつて。好きだったことも

かつて。ノーマルの大食漢の次男に対抗してか、ホールケーキの1/3ずつを長男次男が持っていき、残りの1/3を夫と私が分け、三男は別にゼリーを用意。
トッピングの苺を減らして三男のゼリーにてんこ盛りにするのが、我が家のバースデーケーキの食べ方でした。

私の作ったスポンジは、シフォンケーキ種をスポンジ生地に使うまで、「ここダメ！そこダメ！」とダメ出ししながらがつがつ食べていた長男と、ひたすらがっつく次男がほぼ取り合い状態でした。

三男は食べられないので、三男の誕生日にはいつも「かんてんぱぱ」のお気に入りのグレープ味のゼリーの素を使って、水をワインセラーが作っている高級ぶどうジュースに半分以上置き換え、ぶどうなどの普段は絶対に買えない高価な缶詰を多用してゼリーのバースデーケーキです。

かつて雑穀カップケーキを、アレルギー用粉ミルクで作られた生クリームでトッピングしてみんなで食べようとして、まずくて誰も食べられなかった件以来、三男はゼリーと決まっています。

長男はプリンも好きなくせにゼリーに目がなく、高校生になってしばらくしたら、「おれも誕生日、今度からぜりーにするわ」ときっぱり宣言。

おいしいのに。上手にできているのに。誰も食べたがらない

ケーキをママ会にもっていったり、次男が友達の家に行くときの手土産に持たせるととても喜ばれます。
でも、家族の評価は非常に低いです。成長期が過ぎると、誕生日の後、私のお昼ご飯はケーキの残りの日もあるほどです。

「こどもに一度でいいからケーキを食べさせてあげたい」というアレルギー児のお母さんの話をよく聞きます。私も長男が本当に小さいころ、いつもそう思っていました。
大きく成長した今、アレルギーを起こす食べ物はおいしく感じられないから喜ばないことを日々痛感するため、あの激しい切望は何だったんだろうとしみじみ思います。

果汁分をふんだんに使ったかんてんぱぱのゼリーの素でつくったゼリーはとてもおいしいですが、インスタントだし作った気がしません。
これに、ずっとふわふわにするのに追求してきたケーキが負けるのがとても悔しいです。