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体にいいはずの果物なのにアトピーには合わない果物が増えていく

食物アレルギーのある子どもは、食べるものに制限があり、特に栄養価が高くてバランスが整っていそうな卵や乳製品を使えないため、食べさせられるものが非常に制限されてしまいます。

栄養価が特に高そうなものに限ってほとんど食べることができないため、栄養不足・栄養の偏りが懸念され、いろいろなものを多品種食べさせるようにすると栄養不足にはならないといわれても、子供の成長に不可欠なカルシウムなど大幅に欠乏しているのではないかと日々不安になります。

食べさせられるものを積極的に増やしていく

変わったものを食べさせると、具合が悪くなることも多く、新しいものに挑戦することが親子ともどもためらわれることがしばしばあります。
抗原度の低いものであっても体調が悪ければ合いにくいことも多く、月齢の小さな子供に食事を用意するのは非常に神経を使います。

おやつを用意するときに、つい目が行ってしまうのが果物です。抗原度1の果物は体にいかにも負担の少なそうなものも多いので、安心感があってついつい食べさせたくなります。
育児書などにも赤ちゃんの湯上りに薄めた果汁を飲ませると喜ぶと書いてあるし、お友達もそういっているから試してみたりもしました。

実際に試してみたことがあるのは三人息子のうち、長男だけで、長男はまったく喜ばず、口もきけない小さな赤ちゃんがこれほどまでに喜ばないのになぜあげなくてはいけないのかと思い、一度か二度でやめてしまいました。

後々に、アトピーの子どもには果物アレルギーが多く、特に欧米ではあまりにも小さいころから与えたがために成長してから果物が受け付けられなくケースがよくあると知り、青くなりました。
その結果、次男三男は湯上りに薄めた果汁を飲んだことがなく、離乳食もずいぶんと進んでからでないと果物はりんごですら食べさせたことがないまま成長しています。

長男は離乳食開始以降、果物を積極的に食べさせて育てられており、抗原度が低いか高いかも知らないまま「果物ならええやろ~」的な場当たり的な与えられ方をしています。

次男は離乳開始前には薄めた果汁を飲ませたことはなく、離乳食の開始が早いとアレルギーのある子供にはよくないことはすでに知っていたので、離乳開始のフライングはないものの、やはり果物は積極的に与えていました。
次男はアレルギー体質が兄弟の中で最も弱いので、無事に済んでいるようにも思います。

三男はアレルギー体質が並々ならぬことから慎重に慎重を重ね、果物は後回しにして育てました。

全員が選挙権を得ようという今、長男はありとあらゆる果物を受け付けなくなりました。
食べるとものすごくのどがかゆくなるので、「もうりんごすらだめだ。やってられない」と嘆いています。

次男はフルーツ大好き男になり、桃も大丈夫です。アレルギー体質が弱くて本当に助かったと思います。

一番アレルギー体質の強い三男は、用心してきたのが今のところバリアの役目を果たしてきているか、桃やキウイ、バナナなど一部受け付けない果物がありますが、たまに食べると嬉しそうに食べています。

曲者の仮性アレルゲン

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果物は仮性アレルゲンと呼ばれていて、アレルギー反応を起こした時に分泌される成分と同じものを含んでいるものが多く、何ともないときは何ともないので避ける必要はないけれど、気を付けて摂取したほうがいい食品群でもあります。

果物が大好きだったのに、どんどんと食べられなくなっていく長男を見ていると、「湯上りに薄めた果汁を飲ませると喜ぶよ」と言われて喜んで与えてみた自分を消し去りたい気持ちでいっぱいになります。

苺が大好きになったので、毎日1パックずつ食べさせていた時期もありました。
今思えば非常に悔やまれます。あの時一生分食べたと思えばいいのでしょうが、そんな風に考えられる日は来ないと思います。

はじめのうち、長男は何かふざけているのではないかと思いました。あんなにがっついていた果物が「俺食べられない」というので、「はあぁ?」という疑いのまなざしで見ていました。
本人は本気で辛そうで、食べられないという果物がどんどん増えていくのを手をこまねいてみているしかない自分に歯がゆい思いをします。

実際問題として、果物にアレルギーがあるという子どもに出会う機会は少なくありません。
表面上アトピックスキンである子どもであってもなくても、本人が後ろにじりじり下がるほど嫌がる姿を何度も見ました。

健康志向でビタミン豊富な果物はとてもいいイメージがあります。
でも、アトピーからすると、果物は本当に慎重に摂るべき食品だと思います。

現在、長男は加熱してあればおいしく食べられるらしく、缶詰の果物や生でない既製品のジュースを好んでとっています。生を食べられなくさせたのは自分だと思うと、長男に申し訳ないと思います。

アレルギーのある子供の親はいろんなケースを知っておく必要がある

長男が生まれたとき、私はアレルギーに対する知識がほぼゼロでした。あの時知っていればこの子をアトピーや喘息にしなかったのにと悔やまれてなりません。
アレルギーのある子供をもっている親が同じセリフを吐くのを何度も見たことがあります。みんな同じ気持ちなのでしょう。

情報化社会になり様々な情報があふれ、かえって良質な情報をつかみにくい時代になっていますが、本当に必要な情報をしっかりと得て、アレルギー体質を強化することのないようにしてほしいと思います。

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