料理ができる？できない？家庭料理事情

長男が一人暮らしをはじめて数年がたつけれど、彼の料理の腕前やお食事事情が向上した形跡が見られません。相変わらず最小限の作業量で最小限のコストをかけて適当に食事をしているようです。
そのせいか彼のアトピーの具合はあまりよろしくなく、久しぶりに会ったらおでこ周りが赤く、ともすれば軽く掻いていたりするので栄養状態が悪いなあと思うばかりです。

さすがに生後間もなくから患っているだけだって、私のように痒いからと言って掻きむしってしまうようなミスを犯さない隙のない掻き方なので、年季の違いを感じつつも、こんな技能はないに越したことはないと思わざるを得ません。

子供に家の事をさせなさ過ぎた？

世話を何もかも私がしてきたので、子供が自分で何もできない！と、夫が主張します。
耳が痛い気がします。特に長男は手指のどこかが切れていないことがほとんどなかったがため、洗いものもほとんどさせたことがありませんでした。
それでも門前の小僧なのか、作り方そのものはある程度はわかっているようにも思います。

長男が高校生の頃、調理実習がありました。青椒肉絲と、もう一つのメニューは忘れましたが、ピーマンの係の人が袋入りのピーマンを持って、火をつけた中華鍋のところに行き、袋を開けてそのままピーマンを鍋に投入しようとしていたところを止めたそうです。

「まて、洗え。ていうか、種を取れ！」という長男に、「ちっ、いちいちこまけぇ」と捨て台詞。当時は女の子だと言っていたと思ったのですが、どうやらそれは男の子だったようです。
彼は現在お巡りさんとなって日本の安全を守っているそうですが、彼に台所の安全を任せるのには不安があります。

この話をするとたいていの人が、「ししとうと間違えたのかな？」と恐る恐るコメントします。私も長男にそう言いました。
「んなわけねえだろ、青椒肉絲だぞ、ピーマンに決まってんだろ！」と長男が憎々し気にコメントしました。洗わないのはうーん、衛生問題として、ピーマンを切らない、丸まま投入。ありえないですね。

その青椒肉絲はどうなったかというと、長男が代わりに種を取って洗って切って作ってあげたんだそうです。
その話を呆然としながら聞いていた次男三男は顔を見合わせ、「兄ちゃんがつくったんだって」「ありえない」とささやき合っていました。「兄ちゃんでも作れるんだね」と次男がボソッとコメントしました。

こんな長男なので、一人暮らしを始めたとき、ろくな食生活は送らないだろうと思ってはいましたが、予想以上にろくでもない食生活を送っています。まともな食事はおよばれのとき限定でしょう。

うちの子どもはましな方？

先日テレビで、18歳の男女三人が1か月の体験就職と共同生活を行っていて、「洗濯って、どうやるの？」と、洗濯機の前で右往左往しているのを見ました。
柔軟剤が何かわからず、洗剤の量も入れ方もわからず、まあ機種により違うという点を差し引いても、使い方をグーグル検索する始末です。
機種別の取扱説明書をダウンロードするならまだしも、「洗濯の仕方」をグーグルに音声案内で聞いています。

三男と見ていて、口がぽかんと空きました。「ありえない。さすがにうちの子どもは誰も洗濯機は使える。残り湯だって使える。柔軟剤も自分で入れられる。それは最低限だろう？」
そう思ったのですが、世の中は変わってきているのかもしれません。

うちの子どもは何にもできない、それは私が何もさせていなかったからと後悔していましたが、彼らのほうがもっとずっと経験値が低いと思います。
掃除機もちゃんと使えるのか？と思わざるを得ません。

三男がまだ小学生だったころ、体調を崩して夫と早い時間に寝てしまって、夜、はっと目を覚ました時、「洗濯ものたたんでおきました。アイロンがけ、ワイシャツアイロンお願いします。味噌汁作っておきました」という手紙が、たたんだタオルと、アイロンをかけた夫のハンカチの上に置いてありました。
やってくれたのは三男でした。感動して涙が出そうになりました。色々させ損ねていたけれど、門前の小僧、やるじゃないと思います。

先日エビフライも作っていました。次男は肉じゃがが得意料理です。うちの子どもは食育に失敗した、料理ができないと思っていましたが、ましかもしれません。「世の中が変わってきているのかな？」とも思います。
自分たちで作らなくてもいろいろ食べることができます。生きてはいける。けれど、アレルギー体質の強い子供は自分で調達しないと食べられないケースも多々あります。

食物アレルギーがある子供は

下を見れば彼らよりもずっと何もできない人もいるかと思いますが、それでもその多くの人は自力で調理できなくても生きていけます。

ですが、食物アレルギーのある子はそうはいきません。
彼らが何もできないことを笑うよりも、自分のために料理も洗濯も掃除も含めて身の回りを整えることをしっかりと覚えて行かなくてはいけないと思います。

生まれ持った体質ゆえのハンディかもしれませんが、生活力の高さという魅力に変えていけたらと思います。