口コミでいいと聞いた紫雲膏【見つけられない紫雲膏捜索隊】

こどもがまだ小さくて、アトピーがまだまだ悪かったころ、「アトピー治療の最前線」という感じで銘打ってある本を次々と読んでいました。今から20年ほど前で、今ほどインターネットも普及しておらず、限られた情報の中で模索していました。

そんな中、紫雲膏という軟膏の存在を知りました。
アトピー治療に効果を発揮し、副作用も少ない漢方の軟膏だそうです。
漢方にも軟膏があるんだと知り、ほしい！ぜひ手に入れたいと思いました。
近所の薬局を回ってみましたが、見つけることはできませんでした。

それでも、なぜか漢方の薬局には行く気にはならず、見つけられないまま、いつか手に入ったらなあと思って過ごしていました。

漢方薬だから

その当時、夫とその同僚はマレーシアや中国に仕事で滞在することが多くあり、マレーシアでも中華街があって、漢方薬を安く手に入れることができました。田七を欲しいという方も多く、夫もたくさん買って帰ってきていました。

同僚の方がいかれるときに「何か欲しい漢方薬、ある？」と聞かれたので、まだ見ぬ憧れの漢方薬の軟膏です。「紫雲膏がほしい！」と即頼みました。

彼は、私の依頼を聞いて、子供が悪いこともよく知っているので、方々探し求めて、紫雲膏を探してくれましたが、まったく見つけられず、「やくたたずでした、　ごめんなさい」と帰国されました。

そのときはマレーシアで、次に中国に行った時も探し回ってくれ、「本場中国で本場の人の行く店にまで行ったのに、見つけられませんでした、ごめんなさい」と言われました。

紫雲膏はメイドインジャパン！？

それからしばらくしてから知ったことですが、十味敗毒湯などとともに、日本人が日本人のために作った(配合した）漢方薬が世にいくつかあり、紫雲膏はその一つでした。

当然日本国内でしか流通しておらず、処方箋も公開されているので、自作できるようですが、海外で入手できるはずもありません。私は日本国内でしか手に入らない薬を遠くマレーシアや中国に探しに行ってもらっていたのでした。

その事実を知り、お伝えして、徒労を取らせたお詫びをした後日、紫雲膏を何本かプレゼントされました。日本でらくらく手に入ったそうです。

今ならさしずめインターネットでちょちょっと注文した所でしたね。
徒労に終わらせて、申し訳なく思いました。

しかも、紫雲膏が日本製だったため、その内容物がしっかりと理解でき、ステロイド様物質が入っているのが分かったので、一度も使わないまま、薬入れの底に眠っています。
とんだ紫雲膏捜索隊事件でした。