卵牛乳小麦粉が食べられない子供がほしがった困りもの【うちの子供がポケモンパンを欲しがった時】

除去食をしていく上で、どうしても上の子供の食べているものが気になるのが下の子供です。わが家の三男も、俺も食べたい、どうせダメだろうけど、と思っている様子が伺えました。

当時、三男がどうしても諦めきれなかったのが、ポケモンパンでした。
パッケージも可愛いし、中にシールが入っているのが、どうしてもほしいもの。見たことがないのならまだしも、兄達が嬉しそうにとっかえひっかえしている姿が非常にうらやましい様子でした。
 

三男当時まだ1才、ポケモンパンに魅せられる・・・・でも、小麦粉も食べられない

あるとき、みんなでお買い物に行っていて、兄達がポケモンパンを選んでいる横で、三男がじいーっと、穴が空くように、2つのパンを見つめていました。

ひとつはオーキド博士の蒸しパン。黄色いやつです。
もう一つがプリンの絵のついたピンクの蒸しパン。当時三男は2さいになる前。小麦粉も食べられませんでした。

三男の後ろ姿は小さい子供ながらに真剣そのものでした。さしずめ、「これなら小さいから、俺でも食べられるかもしれない」と考えているようでした。

ピンクのほうがおいしそうだ、でも、ピンクはアカンかもしれない。どっちもあかんかもしれない。でも、きいろだったら、いけんじゃね？？そんな風に考えている様子でした。

5分以上パンを見つめ続けていた三男は恐る恐る黄色い方の蒸しパンを手にとって、私の顔色を伺うように、そっと差し出しました。

もちろん、私は戸惑いました。でも、あんなに悩んでいたので、「だめでしょ！」なんて言えません。困っていると、夫が横から、「おっ、いいの選んだな！あした、食べような！」と私を押しのけて言い、三男の頭をぐりぐりなでてやりました。

三男はそれはそれは嬉しそうな顔をしていました。

長男のアトピーが悪化していることもあり、幼児ながらも除去食を熟知している長男次男。私の顔をそっと覗き込み、小さな声で、「大丈夫なの？」と聞いてきました。

「しんぱいしなくていい、　大丈夫だから！」と夫が無責任に太鼓判を押すので、私はオロオロ。

フェイクフードの登場！・・・・子供は子供だましに騙される

不安でグラグラ揺れる私に夫が、その晩、「いつものカップケーキ、早く作って」と言いました。
ひえで作ったヒエのカップケーキです。三男専用。

なんだか灰色のような薄茶のような色をしています。土曜日の朝、みんなでパンを食べるとき、三男が食べています。

出来上がって粗熱が取れたら、夫は、カッターナイフで例の黄色い蒸しパンの袋の端っこをさーっと切り開いて、中身をヒエのカップケーキに取り替えました。切り口はセロテープで丁寧に閉じました。黄色いカップケーキをほいと私に渡して、「今日から君のパンは、これね」と言ってにっこり。

オトナにはちょっとあまったるいポケモンパン。袋にのこった油とか、厳密には気にしなくてはいけないのですが、とりあえず、夫のアイデアに従ってみました。

翌朝、子供がそれぞれが買ったパンに飛びつき、三男もおずおずと、（明らかに色が昨日と違う）パンの袋を開けました。夫の読み通り、セロテープのついていない方から。
シールに飛びつき、ひとまず騒いでから、恐る恐るいつものケーキにかぶりつき、食べられることに気がついてほっとしつつ、嬉しそうです。俺も大丈夫だった、そんな言葉を考えているような表情が子供から見えました。

兄達は、ケーキの色と母親の食べているものを見て、ことの顛末に気がついたようですが、にっこり微笑んで、「よかったね！」と弟に声をかけてくれました。

いつかはばれるとおもっていたけれど、やっぱりバレた

この、とてもずさん極まりない作戦は、半年以上、持ちました。長く続けられたのは、毎日ではなく、週一回だったことと、三男が毎回きっちり黄色い蒸しパンを選んでいたことが理由かと思います。

そして、バレた原因は、最初に三男が悩んで諦めた、ピンクの蒸しパンでした。ふと、ピンクの蒸しパンに目が行き、「これに挑戦してみようかな」と思ったようです。

「まずい！」と思ったのですが、止められず、黄色い蒸しパンと同じように入れ替えたのですが、翌朝ピンクのを買っても同じものになっていることに気がついた三男は、さすがにお母さんたちがすり替えていることに気が付きました。

怒った顔で朝ごはんを食べた三男、それ以来、ポケモンパンを買おうとしなくなりました。
それに気まずくなったのか、長男次男も同時にポケモンパンを卒業することになってしまいました。

まとめ：ずさんな作戦だったけれど。

ちょとずさんな作戦だったからか、お粗末な結末になりましたが、半年くらいとはいえ、三男がみんなと同じように過ごせたことは良かったことだと思っています。

今現在16歳の三男はこのことを、当然かもしれませんが全く覚えていません。私達はだめ！と禁止するより、袋とおまけを買ってごまかすことを選びました。

お粗末なやり方かもしれませんが、親としてできるだけのことはしたと思って、間違ったことだとは思っていません。もっと良い方法があるかもしれませんが、楽しく乗り切る方法を模索することも大切だと思っています。

迷った時、こんなことをした人もいるから、自分はどうしようか、よく考える材料にしていただけたらと思います。