乳幼児がかかる乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

乳幼児が肌トラブルと起こすと、アトピーではないかと心配される方も多いです。

特に、アトピー性皮膚炎と乳児湿疹は似ているため判断しづらく不安になります。

アトピー性皮膚炎は治らない病気だと誤解していることも多いのです。

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は、もともとアレルギー症状を引き起こしやすい人や、皮膚のバリア機能が弱い人にみられる皮膚の病気です。

湿疹やかゆみが主な症状ですが、なかなか治りにくく再発を繰り返すのが特徴です。

皮膚のバリア機能が弱い場合には、外からの異物が容易に皮膚の中まで入り込みやすく、皮膚の乾燥も進むため、紫外線や汗、石鹸や化粧品などの刺激によっても症状を発症してしまいます。

長期的に皮膚の炎症が続くアトピー性皮膚炎は、細菌やウイルスなどから身を守る免疫反応によって起こるものです。

アレルギーを起こしやすい体質であるため、皮膚に加わる刺激やストレスなどが重なることで、免疫が過剰に反応し、皮膚炎を悪化させてしまいます。

乳児湿疹とは

乳幼児気に起こる肌のトラブルとして、乳児湿疹があります。

乳児湿疹とは、乳児期に起こる湿疹の総称で、こういった病名があるわけではありません。

似たような湿疹であっても、原因はさまざまで、肌が赤くなったり、水膨れができる、かさぶたができるなどの症状が現れます。

主に頬やおでこなど顔に現れやすく、生後2週間を過ぎた頃に現れ始め、ほとんどの場合1歳を迎える頃には治ります。

アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の違い

アトピー性皮膚炎と乳児湿疹を見分けることは、医師でもむずかしいといわれています。

症状はどちらも同じようなものなので、症状から特定することはできません。

ただアトピー性皮膚炎の特徴として、症状が悪くなったり良くなったりを繰り返すため、2ヶ月以上湿疹が続いた場合には、アトピー性皮膚炎と診断されます。

乳幼児期に診断された場合には、アレルギー物質と考えられるものを取り除き、できるだけ症状を悪化させないようにすることが大切です。

特に負担から肌を清潔に保ち、保湿を心がけるなど、ケアを怠らないようにすることが大事です。

アトピー性皮膚炎と診断された場合、治らない病気と思っている人も多いかもしれませんが、乳幼児の皮膚炎は大人のものに比べると治りやすく、1～2歳くらいまでには、症状は軽減することがほとんどです。

それは、赤ちゃんや小さい子供の場合、まだ肌の機能が整っていないため、外部からの刺激に弱い肌の状態にあり、炎症を引き起こしてしまいますが、成長とともに皮膚は丈夫になり、症状がおさまってくると考えられています。

治療薬としてステロイド剤を処方されることがありますが、適切に使用するととても効果のある薬ですから、必要以上に心配しすぎないようにしましょう。