アトピーだって、食べてみたい！市販品を完全排除しないで

食物アレルギーがあって、除去食をしていると、どうしても一般的ないわゆる市販j品を与えて食べさせるのが困難な状況になります。

ところが、TVの子供番組のCMの、食べ物を扱う割合はとても高く、子供にとってはとても憧れの存在になります。

食べられないのはわかっていても、なんとかしてあげたいのが親心。わが家でもいろいろあの手この手で乗り切りました。
 

アレルギーがあっても、食べたい気持ちを抑えすぎると影で爆発

食事のほどんどが野菜たっぷりの味噌汁とご飯のみ、体に合わないから市販品は一切与えないというご家庭、三男の同級生にもいました。

体に合わないから、「食べちゃダメ！」と子供に対し言い続け、周りのオトナに「お願いだから、うちの子に何も食べさせないで！」と訴えていました。

でも、その子はよそのお宅に遊びに行って、「なにか出して。あるはずだ」と言い、「ない」と言っても納得せず、家捜しして、見つけては「食べていいか」と脅すように聞いて、ダメだよと言っても全部食べてしまう、そして「後で具合が悪くなった、どうしてあげたの、あげないでって言ったじゃない！」と改めて責められる。
アトピーでなくても、市販品のほとんどは体に悪いから与えないという方針のご家庭の子供には共通した、ありえる風景です。

わが家の長男も、除去食をしていた当時、お祭りか何かでもらったスナック菓子を抱え込んで離しませんでした。初めて食べて、狂ったように抱え込み、離しませんでした。

少しぐらい、皮膚の状態が悪くなることがあっても、嘔吐するとか、危急の自体に陥る危険性のあるものでない限り、ある程度多めにみないと、この子の心の問題が新しくできてしまうのではないかと危惧しました。

実際に、同じような状況を見て、「これはだめだと思った」という話を、他の方からも聞いたことがありました。

「もし、市販品を一切排除して育てて行くなら、今後一切TVは見させないようにしないと子供がおかしくなってしまう」と夫にも言われました。

ある程度行動が抑制され、状態が良くないと外で跳ねまわることが難しいアトピー児からTVを取り上げるなんて、私にはできませんでした。

大丈夫！子供の味覚はあなどれない

実際に自分の子供に恐る恐るスナック菓子など、与えてみました。使われている材料の品質はともかく、どうしても避けるべきものが入っていないスナック菓子です。

ものすごく喜んで、ワクワクしながら食べました。完食した時、なんともないこともあれば、口の周りが赤くなることもありました。
でも、袋を見た時の、あの息子の輝くような笑顔を見ると、もう食べちゃいけないよなんて、言えません。

ところが、ものによっては、はじめものすごく喜んだのに、すぐにトーンダウンして、「もういらないや」というモノがいくつかありました。
その後、好物になったものもありますが、その後も食べないものもあります。でも、どちらの場合も、しばらくの間、欲しがりませんでした。

子供が後に語ったところによると、体に合わないものを食べると、口の中が痒くなって、なんだか美味しくなくなるそうです。「ビリビリする」こともあるようです。

一応絶対ダメなものが含まれていないもので、体に今ひとつ合わない何かが入っているようなものの場合、アトピー児には「これやだ」と判断できるセンサーがお口の中に住んでいるのかもしれません。

食べたい気持ちを真っ向から否定せず、多少悪くなっても心の冒険だからと与えてみるのも必要なことだと思います。もちろん、危険を犯す必要はありません。

アナフィラキシーショックは甘く見ることはできません。
でも、彼らには自分の体で判断することができるのだから、全てを否定しないことも大切かと思います。