2015.07.19
知っておきたい、アトピー性皮膚炎と目の病気の関係性について
アトピー性皮膚炎と合併症として、アトピー性白内障が知られています。アトピー性皮膚炎の約30%は合併症で目の病気を発症しているといい、顔に湿疹が出ており、日ごろから目や目の周辺を掻いたりこすったり、痒みを抑えるために叩いたりしている人は、特に注意が必要です。アトピー性皮膚炎と目の病気について、どのように関連性があるのか考えてみましょう。
アトピー性白内障の症状について
アトピー性皮膚炎に基づく白内障としては、主に20歳前後で顔に湿疹が出ている患者さんがかかりやすいとされています。水晶体(ピントを調節するレンズ部分)が白や黄色に濁るため、老人の白内障と同様、目のかすみや、視力の低下、日差しが異様に眩しかったり、多くは両目に見られます。顔にアトピー性皮膚炎が出ており、目や目の周辺を強く掻いたり叩いたりすることで眼球が損傷し、白内障が発症すると言われてますが、ステロイドとの関連性は解明されていません。進行の仕方もさまざまであるため、注意が必要です。
治療と対策について
治療方法としては、老人の白内障と同様、濁ってしまった水晶体を砕いて取り出し、眼内レンズを挿入するという方法になります。一度発症してしまうと、進行が進むにつれて、手術するという選択肢にたどり着いてしまいます。顔にアトピー性皮膚炎が出ている患者さんは、視力の低下や目のかすみを感じた場合は、必ず眼科も検診するように心掛けましょう。目や目の周辺は眼球に傷がつきやすいため、強く掻いたりこすったりするのを出来る限り控えるように気を付けましょう。
アトピー性白内障以外の目の病気
アトピー性白内障の他に、網膜剥離を発症する可能性があります。白内障と同様、若い人がかかるケースが多く、症状としては視力の低下などがみられます。普通の網膜剥離とは異なり、網膜でも中心から離れた箇所に孔があくため、進行が遅くなり、早期発見が難しいとされています。また、アトピー性白内障と合併して発症する場合もあり、診断が難しく、更に発見が遅れたりします。気が付いたときには、相当進行している可能性があるため、白内障と同様、定期的に眼科の検診を受けることをおすすめします。
まとめ
アトピー性皮膚炎は、目や目の周辺を掻いたり強くこすったりして眼球に傷がつきやすいため、目の病気にかかりやすいです。若いうちから、顔にアトピー性皮膚炎が出ている患者さんは、定期的に眼科にも通い、アトピー性白内障や網膜剥離の早期発見につとめましょう。
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