アトピーがすぐによくなる魔法の杖を探したけれど見つからない

我が家では、生後間もなくアトピーと診断された長男と次男より、三男の方がアレルギー体質も強く食事制限も非常に厳しく、肌に湿疹が出るときの悪化のスピードはそのアレルギー体質の強さを証明しているかのように激しいものでした。

しかし、見ただけでアトピーとわかるのは長男の方で、三男の方はある程度大きくなってからは「え？アトピーなの？」と驚かれることの方が多くなっています。
したがって、周りの人からアトピーと言われるのはもっぱら長男のみでした。

アトピーが治るタイミングが人生で何回かある？

長男が小さい頃のことです。

3歳ぐらいまでにステロイドと縁が切れてアトピーが治ることがある・・・
その次は5歳ごろ治ることがある・・・

さらに次の治るタイミングは思春期の頃、そのころにアトピーから脱却できなければ残念だけど一生アトピーと付き合っていかなくてはならなくなる・・・

でも、治るタイミングが人生で3回くらいあるから、その時までがんばればなんとかなることもある・・・

そんな本当かそうでないかよくわからないことが、医療関係者の口から聞くことがよくありました。

だから、私自身、何とかして長男を3歳までにステロイドと縁のない生活をさせてやりたいと思っていました。ステロイド外用薬の副作用も恐ろしいと思っていたし、こんなに努力しているのだから、きっと何かしらの成果が表れるに違いないと思っている部分が多大にありました。

今にして思えば、あの頃はアトピーも今ほど多くなかったし、水疱瘡の痕を「これがアトピーか」と言ってしげしげ見ていた予防接種の時の医師もいたくらいだから、そんなデータが本当にあったとは思えません。

成長に伴って体も丈夫になって消化能力も上がってくるだろうから、アレルギーを起こしにくくなっては来るのでしょうが、アレルギー体質が消えてなくなることなどありえないと今は思います。

でも、その当時は本当に、本当に、子供の肌がすべすべでメンテナンスフリーになる日が努力で手に入れられるかもしれないと本気で思い込んでいました。

あふれかえる「アトピーに効く〇〇」

当時と今と、どちらが信ぴょう性の低い「アトピーに劇的に効く〇〇」と謳った商品があふれているのかというと、薬事法が今よりももっとざるだった過去の方が多かったように思います。でも、今も現在も、アヤシイ〇〇はなくなっていないように思います。

3歳までに何とかしたい、5歳までに、思春期までに・・・と思い込んでいた長男の幼少期は、色々ないいといわれるものは何でもトライしてみて、どこかにきっと劇的に改善する、いわゆる魔法の杖があるに違いないと探し続けていました。

様々な訳の分からないことに挑戦させられ続けた長男の迷惑を思うと、今長男が優しくしてくれるのは、実にありがたいことだと思います。

アレルギー体質が消えてなくなることがあるはずがないから体質なのだと、気が付くまでに何年かかったか。

一生懸命になればなるほど訳の分からないものに引っかかっていくのは、冷静な判断力のなくなった人間の通る道かもしれません。
劇的に効く魔法の杖はない、劇的に効く何かを探す努力そのものが時には悪化の引き金になることに、もっと早くに気が付けていればと思うことがよくあります。

肌荒れを起こしかねないものを避けるのが一番？

アレルギーを起こした時に、肌に一番影響が出やすいのがアトピーなのだと考えれば、何かを塗って、何かを食べてアトピーを治そうと考えるよりも、自分の体に合っていなくて、アレルギーを起こしかねないものを避けておくのが一番肌状態を改善するのではないかと思います。

本当に悪くなって細菌感染したらはれ上がりそうな状態があるのであれば、医療機関にかかって適切な治療をすべきですが、そうではない頑固な低め安定のアトピックスキンを良い状態で維持しようと思うのであれば、肌荒れを起こしかねないものを避けていれば一番維持しやすくなります。

アトピーに効く、肌にいい〇〇に挑戦するよりも、肌に悪さをしかねないものを徹底的に避けたほうが悪影響は出にくいのではないでしょうか。

高価な美容液の美容成分に対して期待ができないように、美容成分よりも、そこに一緒に入っているなんだか肌に合いそうにないものの方がダイレクトに影響を及ぼすことがあります。
肌にいい、美容効果があるというものを取り入れるよりも、とにかく何も入っていない方が安心感が持てるように思います。

アトピーに魔法の杖はない

アトピーが、飲んだだけで、塗っただけで劇的に効果が出て、二度とアトピーに悩まされなくなるようなそんな魔法の杖はないのだと、何年もかかって自分自身が気が付いたとき、なぜそんな当たり前のことに気が付けないのか、自分自身の馬鹿さ加減に自己嫌悪に陥りました。

ダイレクトに影響を受けるのは大したアレルギー体質でもない自分ではなく、いつも試される長男であることにも、もっと早く気が付くべきだったと思いました。

治してやろう、何とかしてあげようという気持ちは無駄だとは思いませんが、かなりの部分、子供にとっては有難迷惑だったのだろうと思います。

もう少し、早く気が付けていればと悔やまれますが、過去は変えられません。
せめてこれからは無駄なことで子供に負担はかけないようにと思うばかりです。