食べられないけど食べさせたい、ケーキ問題【アトピー児の誕生日・クリスマス　】

2015.09.11

卵や牛乳にアレルギーがあって、除去食を実践していると、誕生日でもケーキを食べるというわけには行きません。でもなんとかしてあげたいのが親心です。

わが家の三男は3歳まで小麦粉もダメだったので、でも、なんとかしてあげたくて、とても悩みました。

わが家でどうしてきたのか、お伝えすることで、今同じ悩みを抱えている方に参考にしていただきたいと思います。

小麦粉も食べられなかった三男。でも、こんな時くらい、ふわふわケーキを作ってお祝いしたかった私。
小麦粉も使えなくなると、お菓子を作るにあたって、小麦粉や卵の偉大さが痛いほどよくわかります。でも、使えない。アナフィラキシーショック間違いないから。

そこで、アレルギー用の粉ミルクを原料に作ってある粉のホイップクリームと、ヒエのカップケーキの素を使うことにしました。

カップケーキを人数分作り、ホイップクリームで飾り付け。お皿に円を描くように並べると、ちょっと豪華です。みんな大喜びで、ろうそくを吹き消したあと、「いただきま～す！」と元気にかぶりつき、その直後、全員で「ごちそうさまでした！」と、トーンダウンしました。

めっちゃ美味しくなかったです。当のアレルギー児の三男にも美味しくなかったようです。
どんなにケーキに似ていても、違うものは違うし、結局誰も喜びませんでした。

かんてんぱぱのゼリーの素(カップゼリー80℃、なぜかグレープ限定）がお気に入りのうちの子供達。普通のゼラチンは使ってないので愛用していました。

三男のフェイクケーキの事件の記憶が新しいうちに今度はクリスマスがやって来ました。「ケーキに似せて無理して作る必要はない、みんなの好きなゼリーにしたらどうか」夫が言い出しました。

「ゼラチンが使えないんだよ」という私に、「いつものやつで何が悪いんだ」と一喝。ゼリーの素だから、手抜きな感じがしてちょっと嫌でした。

夫が買い物にもついてきて、いつものゼリーの素と、ワイナリーが出している高価なストレート果汁、お値段びっくり高級フルーツ缶詰を購入し、「これで作ってくれ」と指示。

分量の水を極力少なくし、最後に加えるジュースは室温に戻してから使いました。大きなガラスのケーキ型に缶詰のフルーツをカットして入れた上からゼリー液を流し入れて固めて、そこにろうそくを突き刺し、食べられないサンタの飾り物をつけました。

結果、ものすごく濃厚で美味しいゼリーになっており、一口しか親の口には入りませんでした。

ケーキ

現在長男は21、三男は16、とっくの昔に除去食を解禁しています。
そして、長男、初めてのケーキは喜び勇んで食べ始めましたが、すぐにトーンダウン。「おれ、これ、嫌いだわ」で終わっています。

その後、人並みと思われるくらいには食べるようになりましたが、中学生になる頃には「俺も、これから誕生日は、ゼリーにする」と宣言して、ゼリー派に戻りました。

三男はケーキは「おれ、1センチにして」と一応勧められればしぶしぶホールケーキ1センチ分受け取りますが、完食皆無。「俺がケーキを受け付けないんじゃない、ケーキが俺を受け入れない」という怪しい名言を放ちました。

そして、あのクリスマスのケーキ以来、三男の誕生ケーキはもっぱらリッチフルーツテイストのゼリー。しかも材料すべて加熱済み限定。

私はお菓子作りが好きでいろんなケーキも焼けますが、もっぱら次男用か、お友達のプレゼント用になっています。

体に合わないものは美味しくないということのいい例だと思います。腕によりをかけて作ったフェイク食品の数々、あれは一体何だったんだろうと思います。

母の自己満足にすぎなかったのでしょうか。
どんなに愛情こもっていても、好きでなければ喜んでもらえないようです。食べられないことが辛いのは、好きなものであればこそ、好きでもなんでもないものは、食べられなくてもそれでいいのかもしれません。